なぜレイセオンなのか？

軍事となると問われるのが高い耐久性と実用性。それを見事にクリアし軍へ出荷されるのがミリタリーグレードです。この品質を最も高く要求される中で軍にパーツを供給していたレイセオン。第二次世界大戦前後から現在に至るまでアメリカの軍事に従事しています。

世界トップクラスを誇っていたレイセオンの技術力、もの作りに対する熱き思いは今なおファンの心を掴んで離しません。このヴィンテージジャックも現代の量産主義の中では追及出来ない耐久性、失われたサウンドを持つパーツです。

高野氏が語るレイセオンの魅力

レイセオンと言えば通信機器メーカーとして高い技術を誇ります。ジャックのみならず耐電圧の高い複雑な多接点スイッチや数回路を同時に切り替える高機能スイッチ等、様々な多機能スイッチでも知られる「スイッチクラフト」のブランドを持つのは有名です。ギブソン社では'76年に発表されたS-1やES335CTなどにも大型特殊スイッチを供給した実績を持っています。

残念ながらアメリカ国内での製造は'99年頃終了し、生産拠点をアジア圏に移しています。スイッチもジャックも重要部分にはブラスを使用してますが、ブラスは単一金属ではなく合金なので生産国の合金配合割合や加工温度により性能に差を生じてしまいます。

通常ギターに使用されているのはL-11と呼ばれる最もシンプルな機種。ここで用意しているのは米国製造のNOS品。ブラスの硬度もメッキの厚味も現行スイッチクラフトとは一線を画します。これによるトーンの差異をご確認ください。