KEY'STONE Pure Celluloid Pickguard

約60年の年月を経て……、セルロイド・ピックガード再販!!

F社では59～65年頃までの間に見られたセルロイド製ピックガードは、その取扱いの難しさにより市場から姿を消してしまいます。現行のF社製品や一般的なピックガードには塩化ビニル製が採用されており、当社が調査したところ、ヴィンテージピックガードの素材に類似したアセテート製は近年多く存在していますが、本物のセルロイド素材を用いたものは当時の製品を除いて殆ど存在しません。

「Pure Celluloid Pickguard」は現在では入手が難しく切削も困難と言われるセルロイドを使用し、日本国内では限られた製作者の手作業によって製作しています。

色褪せや縮みなど独自の経年変化で知られるピックガードは、実はサウンドにも大きく影響するパーツのひとつ。
「ピックガードで音は変わらない」とお思いの方に是非試していただきたい逸品です。

ギターとセルロイドの関連性

1838年にフランスで発見されたセルロース（繊維素）は当初、繊維の再生を狙ったか、強酸処理を施し長い繊維として形成する事が主だったようだ。1870年頃には硝酸処理に加え、樟脳を可塑剤として用いる事で「セルロイド」が誕生している。当時、樟脳を多々産出する台湾を領有していた日本の生産量は全盛期には他の追従を許さなかった。

この硝酸繊維素（ニトロセルロース）は燃焼性の高さが特徴で、当時黒色火薬から無煙火薬への変遷期に武器、兵器としての活用が大いに成されたが第1次世界大戦の終了と共に民間の産業へとシフトしていく。象牙に代替するビリヤードのボールを懸賞金付きで募集したところ、セルロイドが見事優勝したとの記録も残っている。可塑性の高さから様々な分野に進出し、写真や映画のフィルム、眼鏡のフレームや万年筆の胴、玩具や卓球のボールなど、枚挙に暇がない。

ギター業界にも早くから浸透し、元々マンドリン等で使用されていた物を改良したギター用ピックは1920年頃発売されており、貝類を主に使用していたポジションマークや、従来は象牙や木材を使用していたボディーやネックのバインディングにも使用されている。セルロイドとほぼ同類のニトロセルロースラッカーとは当然親和性も高く、多々のメーカーに採用されるに至っている。

セルロイドがもたらす音の変化

F社では前述の部品としてはスパニッシュスタイルの楽器にこれを使用していなかったが、1959年に製品のマイナーチェンジを行った際、主要ギターのピックガードをこのセルロイド製に変更している。それまでの1プライABS製のものから3プライセルロイド製、あるいはそれに一枚タートイズ柄のセルロイドを追加した4プライセルロイド製となる。独特の変色加減が「グリーンガード」と呼称されローズネック期の象徴ともなっている。

ここで問題となるのがセルロイドは元来爆薬用素材である点。ギターにセットされてからの事故は聞かないが、加工時に生ずる切削粉が自然発火しやすく、また材料板を大量に重ねた際にも火事を起こしやすい特性からF社では1965年頃に素材を変更している。

現在流通しているグリーンガードは塩化ビニールに顔料を混入してあの色調を出しているのだが、セルロイドとこれを同等には扱えない。塩化ビニールとセルロイドではそれぞれの「静電荷」が異なるからだ。静電気による磁力線への干渉は有名だが、ピックアップをマウントしたピックガードとなると上級者には即、差異を感じるほどだ。

KEY'STONE
Pure Celluloid Pickguard LINE UP

《ご注文から製作までの流れ》

ご注文後、お手持ちのピックガードを当社に発送。 ※最寄りの店舗へ直接お持込も可能です。
お預かりしたピックガードから型取りし、セルロイド製ピックガードを製作。
お預かりしたピックガードと共に完成品を納品。

《ご注意》

納期はピックガードをお預かりしてから、約2週間～1ヶ月程度となります。
※変動する場合もございます。詳しい納期はKEY各店までお問い合わせください。
写真はサンプル品です。ピックアップレイアウト、ネジ穴等はお手持ちのピックガードに準じます。
セルロイドの性質及び製法上、個体によっては表面上の細かいキズ、本体の反りや色ムラがございます。また、経年変化による反りやヒビ割れ等による返品、交換はお受けできませんので予めご了承ください。
取付には一部加工が必要な場合もございますので、取付交換の際はプロリペアマンに依頼することをオススメします。
ピックガードスクリュー、シールドアルミシートは別売となります。