Base Ball Bearさんにとって2年ぶり4度目となる野音でのライブ、"日比谷ノンフィクションⅣ"に行ってきました。

私自身(フェス等をのぞけば)単独公演でBase Ball Bearさんを見るのは『初』となりましたが、以前、ロックインジャパン2008、夕暮れに染まったステージのうえで、キャッチーでスピード感のあるナンバーを演奏する彼らの姿を初めて見たときの衝撃を思い出しながら、また、私が長年にわたり販売してきた『Sugi Guitars』のRMG(Rainmaker Guitar)を、小出さんと湯浅さんが使用する予定だということもあり、どんなサウンドになるのかということも非常に楽しみにしながら、本番を待っていました。

フェス、ライブ好きの私自身は、チリヌルヲワカのユウさん(ex GOGO 7188)、RADWIMPSの野田さんと、RMGを使用したライブを見るのが今回で3回目となったのですが、『RMGってなに?』という方のために、簡単にギターの紹介をさせていただきます。

『Sugi Guitars』のRMG(Rainmaker Guitar)のコンセプトや仕様は、Sugi Guitarsマスタービスルダーの杉本氏を中心に日本で考えられておりますが、基本生産は、杉本氏の長年の盟友でもあるビルダー、ティム・ウィルソン氏(ex Jackson Guitars)の工房によって製作されているUSAメイドのギターとなります。設計&デザインの緻密さと、日本製のSugiとは一味違う良い意味での『荒っぽさ』を兼ね備えた、『フロントマンギターの決定版』とも言えるギターです。

小出さんと湯浅さんの使用しているものは、大きな仕様でいうとボディ材がちがい、小出さんがアッシュ、湯浅さんがアルダーのRMGになります。

イントロのカッティングから1曲目は、"The Cut ‐feat. RHYMESTER‐"
いきなりのRHYMESTER登場で会場も一気にヒートアップ。

場所はちがいますが、初めてBase Ball Bearさんのライブを見たロックインジャパン2008(LAKE STAGE)と今回の野音でのステージは、(私見ではありますが)雰囲気も似ていており7年前見たライブの記憶がよみがえり、なつかしく、胸が熱くなりました。自分の気持ち優先で、さらに当日の模様をお伝えしたいところですが、おそらく当日のライブ模様を今後目にする機会もあると思いますので我慢して割愛します(笑)

そのうえでライブ全編をとおして感じたことは、RMGらしいワイルドなサウンドがBase Ball Bearさんの曲に非常にマッチして、野音の空に気持ち良く抜けているように思いました。ただ、突き抜けてはいるけど、嫌味なトレブルはなく、終始、気持ちいいサウンドでリズムを刻んでいて、ここが、メイドインジャパンの緻密さとメイドインUSAのワイルドさが合わさった、RMGのすごいところだなとあらためて感じました。

実はありがたいことに、リハーサルから拝見させて頂きましたが、小出さん、湯浅さんをはじめ、メンバーさんのサウンドへのこだわりはすごかったですね。

今秋より(Base Ball Bear Tour「三十一歳」)と銘打った全国ツアーが始まりますので、ぜひ皆さん、Base Ball Bearさんの熱いライブとそして、Sugi RMGのサウンドを体感してください!!!

リハーサル、ライブ終了後、写真、コメント頂きました。
ライブ前後の貴重なお時間ありがとうございました。お疲れ様でした。

~小出祐介さんコメント~

Rainmakerについて

同期や打ち込みや鍵盤を一切使わないギターロックバンドをやっていますので、これでポップな部分も兼ね備えようと思ったら、ひとつひとつのパートにかかってくる比重はやはり大きくなってくるわけです。特に、『コード感』に関しては相当な課題となっていました。

歌いながら弾く僕のギターパートは主にバッキングになる訳ですが、プレイスタイルとしてカッティングが結構な割合を占めているもので、どうにかパーカッシブルさとコード感を両立できないものかと、日々試行錯誤をくりかえしていました。結果、近年では、足元やアンプも含めた、システム全体で満足のいくものが出来あがりました。十分に安定もしていたので、『これ以上がある』とは考えたことがありませんでした。が、それがある日、ローディーのコティーさんが偶然持ってきていたRainmakerを自分のシステムで弾かせてもらったことで覆りました。『これ以上』の音が鳴っていたからです。その日はプリプロだったので、元々のメインギターと録り比べをしてみたのですが、違いは一目瞭然。カッティングの粒立ちとコード感の両立が達成されていました。

Rainmakerを使うようになって変わったこととして、まず、アンプの音量が下がりました。元のメモリが1時くらいだったとすると現在は9時までいかない位にはなっているかと思います。中域や付随する倍音も大変豊かなので下げても下げても抜けてきます。また、ネックがめちゃくちゃ鳴るのと、鳴りに雑味がないので、クリーン・トーンが気持ち良いのはもちろん、歪ませても歪ませてもコードが濁りません。当然、空間系のエフェクトの乗りも大変良いです。また、ギターの性格としても『イイ奴』です。

自分の好きなギターは『余計なことをしないギター』、言い換えれば、『1で弾いたものを1で出す』ことをしてくれるギターです。最近のギターやアンプは『1』を『1.2』や、物によっては『1.5』などにして出すものが多いように思います。これが良いという人もいるとは思いますが、僕としてはやっていないことをやられるのが邪魔で仕方ないんです。頼んでいないサービスというか、手の中でコントロールしている様々なニュアンスや抑揚以上のこと、つまり、鳴らしていること以上のことを鳴らされても困るんです。そういった意味では、Rainmakerは何もしてくれませんが、『1』を『純然たる1』として鳴らしてくれます。それだけでとても信頼出来る奴なんです。ただ、同時に、難しいギターであることも間違いないと思います。

実際にレコーディングでかなり悩まされたのが、弾き手のピッチ感に大変シビアであるということです。というのも、通常のギターよりも鳴りに雑味が無くコード感が聴こえるギターであるが故に、コードを押さえる左手のグリップの正確さを要求されます。セーハしている指が斜めになっていたり、指によっての力加減にバラつきがあったり、なんなら、指をきちんと立てていなかったりすると、ピッチが悪くなったり、トーンが暗くなったと感じます。当然、右手が『弦を鳴らせているか』どうかも如実に音に現れます。リズムが悪ければ、タッチに斑があれば、それもすべて音になってしまいます。当たり前と言えばそれまでですが、当たり前のことがきちんと出来ているかを問うてきます。僕の場合は弦のテンションを少しきつめにしたり、ピックアップに対しての弦を弾く位置を意識しコントロールすることで、ピッチもトーンも安定するようになりましたが、それでも、指の使い方には相当シビアになりました。

このように、素晴らしい音を有するが故に、弾き手にポテンシャルを要求してくる。難易度が高いのは確かですが、こんなにも弾き甲斐のあるギターはそうありません。もっと良い音を鳴らしてもらえるように、もっともっと自分の腕を磨きたいと思っています。

~湯浅将平さんコメント~

使用していてのSugiのいいところ、気に入っているところ

形、色、作り、出音の正確さ。
こちらがちゃんと弾かなければ、ちゃんとした音が出ないという、シビアさがすごい。

RMGを使用するうえでの音作りのポイント

クリーンでも歪ませてもモジュレーションかけても、芯がしっかりあるので、こうしたいという音色に大胆に変えても、バッチリ対応してくれるギターだと思います。

Base Ball Bear オフィシャルサイト
http://www.baseballbear.com

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