2014年NAMM SHOWで発表されたRolandのワークステーションシンセサイザーFA-06/08。
コンパクト、スタイリッシュな筐体からは想像出来ないほど、ハイスペックな仕上がり。
発売前の2014年2月4日にローランド新製品発表会で実機に触れてきました。
音源部にはINTEGRA-7のSuperNaturalアコースティックトーン、SuperNaturalシンセトーン、SuperNaturalドラムトーン、そして往年の名機XV-5080のPCM音色も搭載。
さらに新しく拡張音源としてEXPシリーズが加わります。このEXPシリーズは音色ダウンロードサイト『Axial』にて配信され、音色データのみならず、PCM波形そのものを新規で追加できます。
通常のシンセサイザーは内蔵されている波形のみを使い音色を作り、新規波形を追加することは出来ない機種がほとんどです。そこに波形を追加出来るという事は、全く新しいサウンドを作り上げる事ができ、自分ならではの新しいシンセサイザーとして進化させることができます。
まさにRolandの現在、過去、未来のサウンドが搭載された究極の音源となりました。
エフェクター部は同クラスのワークステーションでは不可能だった16パート全て個別のエフェクトが使用できます。
これは従来のワークステーションタイプでのシングルモードで作成した音色のエフェクトはマルチモードで反映されないという悩みを解消してくれます。
また最終の出力部にはSP-404のTFX(トータル・エフェクト)を採用し、LOOPERやISOLATORなどDJパフォーマンスにも最適なエフェクトを搭載。1ノブで複数のパラメーターもコントロールでき、トリッキーなライブパフォーマンスを実現します。
RolandシンセサイザーではFantom-G以来となる16パートマルチティンバーMIDIシーケンサーを搭載。
どのモードからも録音ボタンを押すと即座にレコーディングモードに入ることができ、インスピレーションを逃さず形にする録音スタイルです。
またDAWとの新しい連携を形にしたマルチ・トラック・エクスポート機能を搭載。16パートのMIDIデータをそのままマルチでオーディオデータへと変換が可能となり、今まで1パートずつ個別に書き出していた作業が飛躍的に短縮できます。書き出したオーディオデータはSDカード経由でDAWへインポートしたり、サンプルパッドにアサインすることもできます。
またDAWのコントロールマップも搭載しており、Logic Pro、Cubase、SONARなどのパラメーターをFA-06/08でコントロールすることができます。FA-06/081台で音楽制作環境の核として必要な要素が全て搭載されています。
オーディオデータを自由自在に操るサンプラーはMAC/PCから本体へインポートしたり、外部入力からサンプリングが可能。
外部入力端子はiPodなどが接続できるミニステレオ端子と、ギター、マイク入力に対応した標準フォン端子を搭載。楽曲まるまる1曲をサンプリングしたり、ボーカルやギターをサンプリングし、リミックス素材としたりと様々なサンプリングが楽しめます。
Fantomシリーズ、SP-404を彷彿とさせる16個のサンプルパッドはサンプルのトリガーのみならず、モードの切り替えにより、シーケンサーでの各トラックの選択やMute/soloのON/OFFにも使用できます。
これだけのフラッグシップクラスの機能を備えると、筐体は大きく、重量も増え、一人で持ち運びがかなり困難となります。
しかしFA-06はわずか5,7kg、FA-08はRD-300NXと同等のピアノ鍵盤を備え16,5kgとどちらもスペックからは想像できない程軽量です。FA-06/08なら制作環境のサウンドをそのまま持ち運べ、ライブパフォーマンスへそのまま使用する事ができます。
また操作性も、従来のワークステーションのようにパッチモード、パフォーマンスモードといった垣根がなく常にシームレスに切り替えて作業できます。今使っているピアノに、ストリングスを重ね、そのままシーケンサーで打ち込みに移るといった行程も流れるようにスムーズに行えます。
JUNO並のコンパクト、軽量、スタイリッシュな筐体ながら、中身はINTEGRA-7、SP-404、Fantomの機能を備え、すべてが一つとして機能しています。
制作からライブ、シンセサイザーにおける全ての要素を網羅したFA-06/08、ぜひ店頭で体感下さい。