Introduction

Jimi Hendrixを筆頭にLenny Kravitz、Marc Bolan、Andy Powell……etc、著名な海外アーティストも愛用するG社の67年製FVモデル。 オリジナルの67年製FVは総生産数が僅か90~100本前後と言われているほどの希少なモデル。複数あるオリジナルの67、68年製と比較し、今回は高野氏が所有するミントコンディションの67年製ヴィンテージ実機 (Seriel #001758)を徹底検証。

今まで数あるFVタイプのギターを手にしてきましたが、ヴィンテージと弾き比べても全く遜色ない音色をもつ個体に仕上がりました。完全にヴィンテージ・クローンと化した「Realdeal 1967 FV Perfect Reproduction」をお試しください。

Manufacturing Method

およそ50年の時を経て現代に蘇る製法

67年のFVモデルを象徴する薄型ボディ、その薄さ35mm。エッジの処理もオリジナル同様。

ヘッド角度は14°、先端が薄く根本にかけて徐々に厚みを帯びるテーパーヘッドも完全再現。ネックは50年代の厚みのあるネック形状とは異なる、40mmナット幅の細身のネック。ヴィンテージ同様のネックフィーリングを実現するネックサイドのエッジ処理や、左右非対象グリップは職人の手作業の為せる業。

ヴィンテージマニアの間では幾つかのパターンが存在すると言われている「ヴィンテージスケール」は、モデルや年代によって微妙にスケールが異なります。このスケールは現行のリイシューモデルでも再現されておらず、一般的な628mmのミディアムスケールとして製作されているギターが多く存在します。弊社はヴィンテージ実機を検証し、1f~12fまでと12fから最終フレットまでのスケールは比率が異なることに着目。単なるミディアムスケールではない、このスケール(本企画で「コンビネーション・スケール」と命名)を採用することにより、ヴィンテージ・フィーリングを追求しました。

特殊CTスキャンによる内部検証により、コントロール部からピックアップ部のキャビティ内部寸法、ピックアップの仕込み方からパーツの配置、ネックジョイント、トラスロッドの長さや仕込み具合まで忠実に再現しています。

「鳴り」を追求した拘りの接着、塗装方法

近年では手軽に入手可能かつ扱いが容易な点から木工用ボンドによる接着が主流ですが、これにより弦振動を損なう事も少なくありません。Gibson社による現行リイシューモデルでも2013年から再現されはじめたハイドグルー(にかわ)接着は、古くはヨーロッパから長い歴史があり、高級家具、工芸品や様々な弦楽器にも用いられ、木の接着においては木工用ボンドよりも接着面が強固かつ劣化しにくいことが証明されています。

この伝統的なハイドグルー接着をもとに弊社では長年の研究を重ね、より強度の高い独自の接着方法「F.A.H.A」を完成させました。湯煎や温度管理の必要性があるハイドグルー接着より、さらに手間と技術を要する接着方法です。ネックジョイント、指板、トラスロッド溝、その他接合部のすべてにこの「F.A.H.A」を採用することで接着部分はより強固になり、ネックからボディへの弦振動をダイレクトに伝え、サウンドにも多大な影響をもたらすことに成功しています。

ルックスはもちろん、サウンドにも直結する塗装方法。ネック、ボディ側胴部には当時と同様「アニリンダイ着色料」を使用。アニリンダイ着色料を加えた独自の溶剤を木部の導管に手作業で刷り込んでいます。鮮やかで立体感のあるアニリンダイが程よく調合し、ヴィンテージならではの色合いや質感をリアルに再現。また、その他の塗装個所にはポリサフェーサーは使用せず、 当時のラッカー成分に近い塗料を下地からニトロセルロースラッカーにて塗装。オールラッカーと言えど、近年はポリサフェーサーを使用するラッカーが多く存在しますが、木の鳴りを充分に活かす為にこの方法は欠かせません。

Selected Material

しっかり熟成し、厳選された木材

オリジナルの67年製FVモデルではボディにアフリカン・マホガニー、指板にはインディアン・ローズウッドを使用したものを多く見かけますが、本モデルでは樹齢100年以上を経た銘木の古木を採用、本家をも上回る拘りのマテリアル。

ボディ、ネックには目の詰まった硬質なホンジュラス・マホガニーを大胆にも1ピースで使用。ネックは柾目材。一般的なマホガニー材は軽くて柔らかく高域成分が丸い、低音が太いと言われていますが、本モデルのホンジュラス・マホガニーは中低域の倍音成分が豊かで高域帯がさらに引き締まった理想のマホガニーサウンドを持ち合わせています。指板は1枚ずつタッピングを行い選定した、十分に熟成され、まるで金属かのような響きを持ったブラジリアン・ローズウッドを使用。

ホンジュラス・マホガニー、ブラジリアン・ローズウッドは共に、楽器の材料としては高級かつ定評のある木材として知られていますが、近年は楽器として使用可能になるまでの時間短縮のため、乾燥釜で一気に含水率のみを調整した材を使用するメーカーが多くなってきています。これにより、銘木を使った高級楽器自体は意外と入手しやすい傾向にありますが、当プロジェクトの様に木材の熟成まで考えて組上げられたギターを入手することは実は容易ではありません。

形状から素材まで徹底的に拘ったハードウェアパーツ群

トラスロッドはインチ規格のチューブレスタイプ。さらに特殊加工まで施し、埋め木を傷めずロッドの効きを向上させています。

ブリッジはデッドストックのABR-1タイプ。そして、ブリッジと連動するサムナットには70年代当時には生産完了となっていたラウンドトップ形状のブリッジ用サムナットを再現したオリジナルパーツを搭載。50年代の薄くフラットなサムナットではなく、このラウンド形状のサムナットを採用することでブリッジ底面との接点がフレキシブルになり、潤滑なアーミングプレイが可能。Vibrola Tremolo搭載モデルには欠かすことの出来ないパーツです。

フレットには当時に形状が最も近いJim Dunlop #6140を採用することでヴィンテージ同様の演奏性を演出。

ペグにはポストからウォームギア、ワッシャーまでブラス素材を採用。ブラス削り出しにて製作したチューナーブッシュと組み合わせることで、音響特性が向上。ヴィンテージトーンを追及する上で欠かせない組み合わせと言えます。

ジャックは硬度もメッキの厚味も現行スイッチクラフトとは一線を画すデッドストック品。全ての配線材とハンダにもヴィンテージ・マテリアルを使用しています。

Pickups

K&T LCMI w/Alpha 1194 vintage wire

ピックアップはもちろんK&T。高野氏と入念に打ち合わせを行い製作された「LCMI」を搭載。60年代中期、従来のエナメルワイヤーからポリソル線にコイルが仕様変更される過渡期に、短期間のみ使用された緑色の外観を持つワイヤーを採用した限定モデル。

オリジナルPAF同様に「セルロースボビン」、「低炭素スラッグ」のポールピースを採用。酢酸セルロースのボビンは静電負荷が少なく、音のイメージはよりクリアで締まった印象になります。リード線には、50年代のGibson社でも採用されていたAlpha社製ヴィンテージワイヤー「1194」を採用。被覆の厚さに起因する絶縁性の高さ、キャパシタンスの低さから産み出される豊かな高域と倍音の多いリッチな低域、スッキリとしていながらも粘りのある中域を特徴とした、まさにこの年代を象徴するFVサウンドです。

Realdeal
1967 FV Perfect Reproduction

¥648,000- (tax included)

『生産休止中』となっております。

Specifications

  • Body : Honduras Mahogany 1P
  • Neck : Honduras Mahogany 1P
  • Fingerboard : Brazilian Rosewood / 240R
  • Position Inlays : Pearloid Dot
  • Scale length : 24 9/16" (623.8875mm) / Combination Scale
  • Nut : Bone Nut
  • Fret : JimDunlop #6140 / 22F
  • Machine Head : KEY'STONE GSS-DLX/NICKEL 3/3
  • Tuner Bushings : KEY'STONE '50s Vintage Replica Tuner Bushings/Nickel 6
  • Pickups : K&T LCMI w/Alpha 1194 vintage wire
  • Bridge : ABR-1 style Bridge (Dead Stock)
  • Tailpiece : Maestro Vibrola-Unit
  • Controls : 2 Volume, 1 Tone, 3 pos Switch
  • Output Jack : Switchcraft L-11 / NOS Vintage Mono Jack (made by Raytheon)
  • Finish : Special Lacquer Finish (Neck / Body Aniline Dye)
  • Case : Hardcase

Color Variations


  • Walnut