1978年当時、まだ国内外問わずに「コンポーネント」と呼ばれるスタイルが確立していなかった時代。
国内外問わず、コンポーネント・ギターブランドの先駆けとして、ここ日本にて産声を上げたMOON GUITARS

これまでにSteve LukatherLarry Graham鮎川 誠近藤 房之助角松 敏生山本 恭司西山 毅
ROLLY今沢 カゲロウ岡峰 光舟(THE BACK HORN)など、数々の著名アーティストの楽器を製作。

プレイヤーのスタイルに合わせたギターを1本1本丁寧に製作し、
地道に、しかし確実にそのブランドを世界的なものに成長させてきました。

ブランド創業当時から一貫して変わらずに追求しているのは「木」本来の鳴り
厳選された木材を巧みな技術で組み込むという、当たり前で基本的な部分を決して軽視せずに、日々その技術に磨きをかけています。
現在も埼玉県にある工房「PGM」にて、1日に2〜3本程度の超少数生産で、ハイクォリティな楽器を作り続けています。




8月某日、炎天下のうだるような暑さの中、MOON GUITARS 池埜氏と共に、
埼玉県は小川町にある工房「
PGM」へお邪魔してきました。

二代目工場長の吉田氏自ら駅まで迎えに来て頂き、車でいざ工房へ。
工房の入り口にはPGMの看板は無いものの、
初代工場長である乳井氏のブランド「
K.nyui」のロゴマークが。

1階にはボディやネックのストックがたっぷり。
ここは後でじっくり見せてもらいましょう。
奥には塗装スペースがあります。
2階に上がるとメインの作業場があります。

ちょうど新宿店でオーダーした
レゲエマスターとプレベがありました。
今回も素晴らしい仕上がりです。
THE BACK HORNのベーシスト、岡峰 光舟さんの最新モデル!!
ちょうど最終調整が終わったところでした。

この現物がご本人の手に渡るそうです。
今回のモデルは演奏性を考慮して更なる進化をしているとのこと。

これまでのグルーヴマスターとは
細かな部分の形状などが変わっているのです。
こちらもMoonではありませんが
某大物アーティストと同仕様のギター。

ファンならピンとくるかも?

まだ塗装の途中のようです。
こちらは先日ジョン・メイヤーがオーダーしたものと同仕様のレゲエマスター。

ご本人の手に渡ったものも通常仕様と全く変わらないそうです。
どのギターにもかける労力は同じ、常に全力なのです。
吉田氏曰く、

「うちのギターはね、塗装も凄く薄く吹いているんだけどね。
厚めに塗って研磨して綺麗な鏡面を出すんじゃなくて、
最初から凄く薄く吹いて木に密着させるような感じにしているんだよ。
だから表面も研磨して無くて、最後にバフで軽くなでるだけ。
ちょっとでこぼこしているでしょ?」
そう、PGMでつくる楽器は非常に塗装が薄いのです。

オールラッカーで仕上げられたMoonの楽器は
よく見ると塗装の表面が細かく凸凹しているのですが、
これは必要最低限の塗装しかしていない極薄フィニッシュの証。

ちなみにネックのグリップ部分は
演奏性を考慮して綺麗に磨かれています。
ちなみに「バフ」というのは塗装やパーツを研磨する機械で、研磨剤を含ませた布を高速回転させて塗装面やフレットなどを磨きます。

白いものが塗装面用、黒いものがフレットや金属パーツ用です。
ピックガードも自社で製作しています。

ラフにカットしたピックガードにテンプレートを合わせて、
トリマーという機械で1枚1枚削りだして製作しています。
「これがストラトタイプのテンプレートね。
で、SSHの場合なんかは
これにハムバッカーのテンプレートを合わせて穴を開けるんだよ。」
様々なピックアップやコントロールキャビティーに対応できるように、
テンプレートも大量にストックしてあります。
これは当時のスティーブ・ルカサーのギターなどでも使用されていたブラスのピックガード。

先日のMoon 35周年記念モデルもこのピックガードを基にして新たに作成されました。
こちらが吉田氏の作業台。

よく見ると作業台の高さが全てバラバラですが、
これは
スタッフそれぞれが作業しやすい高さに調整されているため。
長年愛用しているノミも見せて頂きました。
使い込まれていますが、どのノミも刃先が綺麗に研がれています。
「最近はこういうノミもあまり売って無いんだよね。」
という、スプーンのように先が曲がった変わった形のノミ。

「最近は全然無いんだけど、昔は外注の加工済みのボディを使おうとしたらボディのザグリにパーツが入らないことがよくあって、それで狭くて深いザグリを加工するのにこういうノミじゃないと刃が入らなかったんだよ。」

パーツが入らないというのは『コンポーネントあるあるネタ』ですね(笑)

長年の経験から導き出した製作方法がこういった道具からも見受けられます。
再び1階へ。

ストックしているボディやネックを見せて頂きました。

ボディは大まかな加工を終えた状態で
箱に入れてストックされています。
レゲエマスターのマホガニーボディです。

これは綺麗で良い杢目ですね〜。
レゲエマスターは通常はバインディング仕様ですが、
バインディングなしのボディもストックされていました。

こういった仕様でもオーダー可能です。
「ちなみにこんなのもありますけど」と言って奥から出てきたのは、
ウォルナットボディのレゲエマスター!

これはカッコ良いです!

ということで、このボディで1本オーダー!!
秋〜冬頃には新宿店に入荷予定です!
グルーヴマスターありますか?と尋ねると、出てきました!

「これ結構軽いですね〜」
確かに持ってみると結構軽い。良いかも。

じゃあネックはどうしようかな〜と思っていると、

「今、1本だけメイプル指板のネックもありますけど」
とまたまた奥から出てきました!

そういえばメイプル指板のモデルはうちになかったですね。

ということでこの組み合わせでグルーヴマスターもオーダー!
こちらも後日新宿店に入荷予定です!
ということでテンションが上がってあれよあれよと言う間にオーダーを終え、
最後は
初代工場長乳井氏も交えて記念に1枚。

吉田さん、乳井さん、Moon池埜さん、PGMの皆様、ありがとうございました!